庭先カフェ・ツアー・イン・城里町(第2回 古内茶 庭先カフェ取材記)

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茨城県城里町古内地区の庭先をダッシュで巡る

 

第2回 古内茶 庭先カフェ開催

2019年11月16日。茨城県東茨城郡城里町内に向かう途中、低い山々が紅葉で色づき、本格的な秋の到来を感じさせてくれる風景が目に飛び込んできました。針葉樹の濃緑と、広葉樹の赤や黄が混じり合う風景は、如何に秋深しといえども豊かな自然がなければ見ることができない姿です。

そんな秋の週末に、城里町で生産する日本茶「古内茶」にちなんだイベント「古内茶 庭先カフェ」が開催されました。このイベントは、茨城三大銘茶の一つ「古内茶」を来場者に味わって頂こうと、城里町に住む有志たちと地域おこし協力隊、役場の職員、そして古内地区の町民が協力しあって開かれた「まちおこしイベント」です。

古内茶に関する記事はこちら

第1回庭先カフェに関する記事はこちら

「古内茶 庭先カフェ」は、古内茶が栽培されている城里町古内地区の8つの庭先がイベント会場となり、300円の「お休み料」を支払えばその庭先でお茶とお茶請けをご馳走になれるというもの。来場者は老若男女問わず、おひとり様も大歓迎といった雰囲気で、かくいう私も一人でイベントを楽しんできました。

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このイベントは、古内地区の牧歌的な雰囲気の家の庭先で、ゆったりと古内茶を飲みながらくつろぐのが、本来の楽しみ方。ですが、過去にプレイベントと第1回庭先カフェに行った私には、今回のイベントに参加するにあたってその本来の目的とは違う目的がありました。

それは、「すべての庭先を巡ること」

イベント開催時間は10:00~15:00。決して長くはない時間内に8つのイベント会場(庭先)を、すべて周り尽くそうというのです。過去に参加した時は、4つの庭先を周るので精一杯でした。すべての庭先を周ることができなかった要因には、時間的な問題もありましたが、お腹の満たし具合の問題もありました。それぞれの庭先で用意されている「お茶請け」は、スイーツ的なものもあれば、思いっきり「ごはん」的なものもありまして。3つや4つの庭先を巡れば、それはもう、お腹がパンパンに膨れ上がってしまう訳で。

せっかくたくさんの庭先があるのだから、すべての庭先を巡りたい。そして、すべてのお茶請けを食べ尽くしたい。そのような目標を勝手に立てつつ、今回の庭先カフェに行ってきました。今回の庭先は全部で8つ。フードファイターになった気分で、もしくは小山力也さん(古本屋ツアー・イン・ジャパン)になったつもりで、ダッシュで巡る庭先の旅に出ました。

 

庭先① 島家住宅 10:00~

 

まず最初に訪れたのが、国登録有形文化財の「島家住宅」。当ブログで何度かご紹介している歴史ある古民家です。今回、島家住宅ではビッグなゲストが参加していました。それは、スウェーデン人でありながら、日本茶インストラクターであるブレケル・オスカルさんです。なんと、島家住宅ではこのブレケル・オスカルさんのお茶についての講演が聞けるというスペシャルな催しが開かれました。

イベント開催と講演開始は同じ10時からでしたが、開始時間前から島家住宅にはブレケルさんの講演を聞こうとたくさんの人が集まっていました。

ブレケルさんの講演内容は「日本茶の魅力について」。日本茶の歴史と魅力、品種による茶葉の比較、海外から見た日本茶、今後の日本茶の方向性などを、流暢な日本語で笑いを交えながら話してくれました。外国人で日本茶のインストラクターの資格を保有している人は、世界で8、9名ほどしかいないとか。その中の一人がブレケルさんな訳です。資格試験は当然日本語で、ブレケルさんはお茶を学ぶために日本語を学んだというほど、日本茶への熱意は凄まじいものがあります。

「日本茶は旨味、甘味、渋味、苦味、香りといろいろな要素があるけれど、それが淹れ方によって自分好みに調節できるのがいいところです。正しい淹れ方、正解はありません。日本茶生産は衰退産業と言われていますが、30年ほど前と比べると日本茶の茶葉の品種は増えていてます。お茶の幅が広がったので、今は日本茶を楽しむのにいい時代になりました」

とブレケルさん。普段何げなく飲んでいる日本茶ですが、ブレケルさんの講演を聞いて、見方を変えるといろいろな楽しみや飲み方があることがわかりました。それを日本人の私たちが、スウェーデン人のブレケルさんから学ぶなんて。ちょっと不思議な感じがしました。

また、ブレケルさんは古内茶について以下のように話していました。

「初音茶(古内茶)は、『昔こういうお茶があった』というだけではなく、21世紀の初音茶を作ってほしい。今の技術を駆使すれば、昔よりおいしいお茶ができるのでは?」

ブレケルさんの言うように、温故知新的な発想で古内茶が発展し、全国の人に親しまれるようなお茶になったら。同県在住の筆者にとっても、誇らしいことです。

さて、ブレケルさんの講演の後は、島家住宅のお茶請けを堪能。こちらでは、抹茶のマドレーヌ「まちゃレーヌ」と和紅茶をいただきました。この「まちゃレーヌ」は、地元にある高校・茨城県立水戸桜ノ牧高等学校常北校の生徒と常磐大学の生徒、城里町役場の職員が連携して作った逸品。高・大・官が力を合わせて作ったお菓子です。お味の方はというと、抹茶の風味と苦味がしっかりと感じられつつ、ほんのりとした甘味があってちょっと大人な味わいでした。ネーミングは常北高校の生徒が考案したとか。和紅茶にもぴったり合っていまして、朝食をガッツリと食べてきた私にはちょうど良いデザートになりました。

ブレケル・オスカルさんのホームページ

Oscar Brekell’s Official Webpage
スウェーデン人の日本茶の人 Oscar Brekell, Japanese Tea Instructor - Official Website

 

休憩ポイント①…物産センター 山桜

1軒目の庭先でブレケル・オスカルさんの講演があり、1時間強の時間を費やしたため終わった後は早速休憩。庭先カフェの最西端・出澤宅を更に西に進むと交差点に物産センター山桜があります。こちらでちょっと一息入れつつ、城里町産のナシ「にっこり」を購入。庭先カフェでも農産物は販売していましたが、こちらではイベント会場にはない野菜や果物も販売しているので、町内で採れる野菜や果物を余すことなく堪能できます。バイクでツーリングをしている人たちの憩いの場にもなっていて、秋の休日を感じさせてくれました。

 

庭先② 出澤宅

2軒目に訪れたのが出澤宅。こちらでは、音楽ライブや陶器・野菜の販売なども実施しており、他の会場とは少し雰囲気でした。陶器は城里町在住の陶芸家・火翁窯の岩野一弘さんによる作品で、益子の陶器市にも参加している岩野さんは、城里町で陶芸をしながら陶芸教室も開いている人です。その傍らでイベントを主催したり、手伝ったりしているというから、すごいバイタリティ。また、この庭先では自然栽培農家の西澤さんが作ったお野菜も販売(ビリーズマーケット)していました。

岩野さんの作品

新鮮なお野菜も販売

出澤宅のお茶請けは、ゆず味噌おでんに白玉団子、大根酢漬けと和の装い。ゆず味噌うまし。野趣のある味で濃厚なゆずの味わいがしました。白玉団子もうまし。この餡子の甘さが程よく、ぺろりと平らげました。

西澤さんのブログ

自然栽培農家、ビリーズマーケットのブログ。
固定種にこだわるオーガニックな野菜とハーブ。栽培の記録など。

 

庭先③ むら工房

3軒目はむら工房。古内地区出身のパン職人のパンが食べられる!という触れ込みでやってきましたが、私が来場時にはすでにパンは売り切れ。いやはや残念、無念。3軒目にして全庭先の全お茶請けを完食するという野望は打ち砕かれましたが、いや待て、これは不可抗力だということで、ノーカウント。

城里町で採れたブドウで、ドメーヌ水戸さんが作ったワイン。

こちらの庭先では、古内産のブドウで作ったワインの試飲もできました。このワインを製造しているのが、ドメーヌ水戸さん。以前に当ブログで紹介した「古民家 de ワインバル」の際に観させていただいたブドウが、ついにワインに! ドライバーの私はワインを眺めるだけでしたが、試飲していた人に話を聞くと「酸味があっておいしい」とのこと。見た目も実に鮮やかな赤で、見ているだけでもほろ酔い気分にさせてくれるワインでした。

ドメーヌ水戸さん

ドメーヌ水戸|まちなかワイナリー|ワイン造り
Domaine MITOは水戸市街地で、はじめての試みとなるワイナリーを、茨城県水戸市泉町にある「泉町会館」にてオープンします。茨城は素晴らしい農産物があり、葡萄畑も増えています。県都水戸市の中心にあるワイナリーなら、葡萄を新鮮なまま醸造することができ、搾りたてのワインを気軽に楽しむことも可能です。

 

庭先④ 大坪正弘宅

4軒目は大坪正弘宅。大坪正弘さんは古内茶生産組合の会長サマでございます。ここでのお茶請けは栗入り赤飯、野菜の天ぷら、けんちん汁…ともはや300円のボリュームを超えた内容。相席した素敵なおじ様に話を聞くと「この庭先はたくさん食べられると聞いて大洗町からやってきた」とのことで、町外にも噂が流れるほどのお茶請けだったようで。もちもちのお赤飯が大変美味でした。

ボリューム満点のお茶請け。

この頃、ちょうどお昼時刻であったので、私にはぴったりのお茶請けだったかもしれません。お腹の満たし具合的には、この4軒目で既に腹7分目といったところでしょうか。

 

庭先⑤ JA支店跡

今は使われなくなったJAの支店の庭先…というか軒先では、古内茶入りの麺を使った生パスタが食べられました。タコのミートソースに絡めて食べるパスタは、とてもおしゃれでとてもおいしい! それもそのはず、こちらを作ってくれたのはひたちなか市の生パスタを製麺しているPastaio GENOVAさん。腹7分目の私でしたが、洋の食べ物はまた別腹のようで、ぺろりと完食。

 

GENOVAさんが作ったパスタ。

根本樹弥さんが自然農法で作った野菜。

JA支店跡では、根本樹弥さんが自然農法で作った野菜も販売。当ブログでお世話になっている高萩和彦さんの生姜も販売していました(写真撮り忘れ)。この庭先に設けられた席からは、茶畑や城里の低山たちが見渡せて、とても解放感がありました。何てことのない田舎の風景なんですが、こうしてじっくりとゆっくりと眺めていると、そんじょそこらの絶景ポイントとはまた違った感動が得られます。心が穏やかになるというか。お腹の満たし具合は8分目。満腹感が出てきました。

JA跡からの眺め

Pastaio GENOVAさん

生パスタ専門店 パスタイオ・ジェノヴァ /茨城県ひたちなか市

 

庭先⑥ 鯉渕晴人宅

6軒目の庭先は、鯉渕晴人宅です。満腹寸前のお腹に、レンコンのきんぴらおやき、ゆず黄金煮、さしみこんにゃくを更に詰め込み、時沢園の古内茶を流し込みます。さしみこんにゃくのさっぱりした味は、この時の私のお腹にさわやかな風を吹き込んでくれました。そのお蔭か、他のお茶請けもぺろり(何とか)。おやきにがぶりと噛り付くと、中に詰まったきんぴらがわらわらと。レンコンやゴボウといったヘルシーなお野菜ばかりなのに、ジューシーな味わいがあってお腹はもうぱんぱんに。

鯉渕さん宅は高台にあるので、こちらの庭先からは周囲のお茶畑や山々が見渡せます。お庭の端に用意された席は、庭先カフェ一番のビューポイント。

 

休憩ポイント②…セブンイレブン 常北下古内店

6軒目の庭先を終えたところで、2度目の休憩。この時点で県道51号の庭先(6軒)を制覇したことになります。お腹の満腹度合は9.8分目ぐらいで、もう何も入らない状態で、動くのも億劫なほどになってきました。このセブンイレブンで少しでもお腹に詰まった「お茶請け」たちを消化せねばと思いましたが、時刻はすでに14時過ぎ。イベント終了まで時間がありません。残った2つの庭先を巡るために、目の前の高安園さんに向かいます。

 

庭先⑦ 高安園

プレイベント、第1回庭先カフェでもイベントに参加していた高安園さん。もはや庭先カフェの常連です。昼時刻付近は満席状態で立ち寄ることができなかったので、最後の方に訪問させていただいたのですが…。さすがにもう腹に入らんということでギブアップ。和紅茶を買って最後の庭先に向かいます。高安園さんでは、大根の煮つけ・自家製こんやく味噌・さつまいもチップスのお茶請けが用意されていました。

高安園さんで購入した和紅茶。

高安園さんフェイスブック

お茶の高安園
お茶の高安園、東茨城郡城里町下古内314-1 - 「いいね!」27件 - 茨城三大銘茶古内茶「高安園」です。

 

庭先⑧ 加倉井忍宅

 

最後に訪れた庭先が、バラのお庭で有名な加倉井忍宅。前回のイベント時に訪問できていなかったので、今回は是非とも!と思っていた庭先です。バラの花のピークは春ということもあって、花の咲き具合は疎らではありましたが、それでもキレイに咲いたバラの花をいくつか見ることができました。

 

城里町産のけんちんそば。

デザート付。

こちらでは、城里町産のけんちん蕎麦がお茶請けとして用意。蕎麦好きの私にとって「締め」に蕎麦はぴったりだったのか、満腹状態でも汁まで残さず頂いてきました。食べ終わった後は、明日の昼まで何も食べたくないほどの満腹感でしたが。

 

結果…完食はできずとも、完走はできた!

さて、これにて8つの庭先をすべて完走(お茶請けは完食できませんでした)。今回の庭先カフェで食べたお茶請けを振り返ってみると、和菓子、洋菓子、赤飯、パスタ、蕎麦…と和洋折衷のメニューになりました。加えて、古内茶と紅茶の飲み物。それで、支払ったお休み料は1,800円(6軒分)というから、けっこうお得で贅沢なランチだったと言えるのではないでしょうか? 8軒分のお茶請けを全て食べるならば、朝食を抜けばいけるかもしれません。

次は、ウォーキングを兼ねた庭先巡りにチャレンジしたいと思っています。実際に今回、ハイキングするような服装で歩いて周っている人も何人か見かけました。受付本部(大きな駐車場)から最西端の出澤宅まで3キロ。往復で6キロ。受付から高安園さんはすぐ近いので、ここまで歩く。庭先でお茶を飲み飲み、お茶請けを食べ食べ、歩いて歩いてカロリーを消費…そしてまた庭先に行ってお茶請けを食べる…という庭先巡りも楽しそうです。

という訳で今回は、「庭先をダッシュで巡る」という、ちょっと変わった「古内茶 庭先カフェ」の楽しみ方をしてみました。ゆったりと2、3軒の庭先を周るのもよし、今回のようにすべての庭先をダッシュで周るのもまたよし。

「日本茶」にいろいろな淹れ方があるように、「庭先」にもいろいろな楽しみ方がありそうです。

 

今回の庭先カフェと物産センターで購入したもの。すべて城里町産。

 

古内茶 庭先カフェ facebook

古内茶庭先カフェ
古内茶庭先カフェ - 「いいね!」83件 · 3人が話題にしています - 静岡県の縁側カフェをモデルに城里町古内地区の個人宅の庭先をカフェのように開放して交流を促進するイベントです。お休み料@300円。